シルクの聖地・京都丹後で生まれるオリジナルファブリック

山にこだまする織り機のリズム

京都の丹後地方は、言わずと知れた絹織物産地。 その歴史は奈良時代まで遡り、現在も国内の約1/3の絹を消費しています。 国内生産にこだわり、1枚1枚ていねいに 絵画を描くように作っているgiraffeのオリジナル生地も この丹後で織られています。

京都から車で向かうこと数時間。

山をいくつも越えてたどりつく山あいの町に私たちが長くお世話になっている織物工場、梅武織物株式会社があります。

山にこだまするかのように、織機の音が響きます。

糸巻き(糸繰り)

織物作りはまず、糸の準備から始まります。

染色工場から届いた「枷(かせ)」と呼ばれる糸の束を、 「くも」という道具にかけ、機械を使って四角い糸枠(いとわく)に巻き取っていきます。

糸を機械にかけることで自然に撚りがかかり、適度な強度の糸に仕上がるのです。

糸の準備

生地は縦糸と横糸を交差させながら織っていきますが、 織物はプリント生地とは違い、使用できる糸の数には制限があります。

ジャガード織機

こちらが梅武さんで使用している織り機たち。

多数のアナログのジャガード機の中でも 4台は約35年前から使用しており、かなり年季が入っていますが今でも現役。 社長が自ら修理・調整しながら使用し、廃盤になってしまった部品は自ら作ることもあります

織機にはもうひとつ、オルゴールのように小さな穴が空いている紋紙(もんがみ)も必要です。それを使って機械に信号を送り生地を織っていきます。 工場にはこの紋紙が所狭しと並んでいて、その総数は45,000にも上ります。 しかし、この紋紙は織機の電子化に伴い国内での製造は終了してしまったそう。 現在はヨーロッパから紙を輸入し、京都市内で独自に製造を行っています。

職人泣かせの生地

「giraffeのネクタイは、織物業界の常識からすると良い意味で常識外れだったり、技術的にも難易度が高いものばかりです。西栄さん(デザイン画をもとに織機を動かすためのデータを起こし、糸を織工場へ供給する紋意匠の会社)の意匠担当も泣くほど苦労してきました。まさに職人泣かせです(笑)」と話してくださったのは、梅武織物の代表・梅田さん。

giraffeの生地はデザインが複雑で細かいため、他ブランドと比べて打ち込み(横糸の数)が多く、30分で50センチしか織れないこともしばしば。

横糸の数は写真の解像度のようなもので、多いほど密度の濃い生地に仕上がりますが、 そうするとデザインデータも複雑になるため、一度に本当に僅かしか織ることが出来ないのです。 業界の知り合いからは“なぜそんな仕事を受けるの?”と言われたこともあるそうですが、 「giraffeの“こういう生地を作りたい”という強い想いに対して、我々は技術で応えたいと思っています。こっちもプロとしての意地があるからね」という西栄さんと梅武さんの思いに、giraffeのこだわりとクオリティーはいつも支えられています。

Best of 難題アイテム
~梅武さんと西栄さんが選ぶ、私たちを悩ませたgiraffeのネクタイ~

■ゴルフコースネクタイ(西栄・青山さん)

giraffeのデザイナー・中村さんのはじめの一言は「ゴルフコースっぽくしたいんですよね」でした。芝生っぽい素材感を織りで表現するのにとにかく苦労しました。グリーンとラフとで組織が変わるように工夫しています。

■田んぼタイ(梅武・梅田さん):

デザインが複雑すぎて「織りが進まへん!ごめんなさい!」と泣きをあげたのがこれです。

1つの生地の中に約60パターンの色合わせがあり、ものすごく手間と時間のかかっているネクタイです。